AH-4を洗濯しての修理
2011年 12月 26日
AH-4というのは、国内無線機メーカーであるアイコムがアチュア無線用に発売されているアンテナ・チューナーです。
かれこれ10年以上も野ざらしで使っていたのですが、いよいよ動作が怪しくなって、夏場からしばらく使わなかったので、心配になって確認したら案の定、全く反応なし。
まずケースの周囲にこびりついた泥をブラシで掃除して、裏面も掃除しようと持ち上げたら、なにやら内部で「ビチャビチャ」という水の音がする。もしやと思ったら、内部はプリント基板の裏面がほぼ水面に没する状態だった。
アース端子(右)側に至っては、クリーム色のケースが鮮やかな鉄錆び色ではないか。
拡大したのがこれ。コンピュータの入っている部分は、電波が回り込まないように鉄の蓋がしてあるのだが、やはり激しく錆びているではないか。
アンテナ端子側もご覧の通り、ケースを裏向けたこともあって、内部はシャワールームの如く、飛沫が飛んだ状態だ。
結露などで多少の水分が入ったというような事ではなく、屋外に野ざらし状態だから、雨水が寒暖の差による負圧で僅かずつでも侵入したのだろう。それが証拠に、コントロール線(黒色)を伝った水滴がコンピュータ箱の上に滴下して錆が盛り上がっているではないか。
ここで一先ず休憩。近所の無線仲間に電話して、状況を報告。先方も最近やはりチューナーがだめになったという事だったから情報収集。私の場合、夏場に既に調子は悪かったが、時々の事であったし、反対に今回はチューニングボタンを押しても、チューナーが全く反応せず、従って無線機側がそれ以上先のプロセスに進まないのだった。無線機の方が壊れているという可能性もゼロではないが、別付けの手動のコントローラのLEDランプが点灯しっ放しというのも引っかかる。
で一か八か、プリント板を取り出して、洗剤を付けてたお湯を掛けながら、たわしでゴシゴシ。
とんでもない修理法だが、エレクトロにクスの粋を集めた装置で、水に浸かったまま通電すると具合が悪い(まあ今回はそれもやった)が、水に漬けたからといって壊れる部品が見当らないのだから、洗濯したあとは良く洗剤を洗い流して、完全に乾燥させれば何とかなるかもと考えた。
錆は絶縁体ではないが、この回路に使われている抵抗値に比べれば絶縁体のようなものだ。
これは洗剤で洗って乾燥させたプリント版。
こちらも簡単に水洗いしたケース。
で、夕食後におもむろに無線機と繋いで通電してみたところ、一瞬チューナー基板上で何か光って、あれよショートしたかと思いきや、LEDが一瞬光っただけで、改めて無線機のチューニングボタンを押したら、軽快なリレーの音の後に、チューニング完了の印。
さて、まだ錆が残っている所もあるのだが、乾燥剤でも詰めて蓋をしようか、次なる算段に入ります。
それにしても、このチューナーは一度修理に出して、直しきれないという事で戻ってきたものを自力で修理したもの。メーカーとしたら、(結露が原因?)錆びてしまったプリント版まで修復はできないという事だったと思い、自分でパターンを補修した覚えがある。何せ製造番号が01248と古い。そろそろ更新しないと、メーカーも干上がりそうだ、(笑)。
それにしても、頑丈な造りには敬服する。 MNI TNX, ICOM!
アンテナチューナーについて:
アンテナというのは目的の周波数に合わせて、エレメントといわれる導体部の寸法を調整するものだが、反対に導体(電線など)の長さを変えずに、コイルとコンデンサの組み合わせで、沢山あるアマチュア用の周波数に調整する装置だ。
無線機のチューナーボタンを押せば、数秒で電波を出せるように調整してくれるので、大変便利の代物。反対に、これがないと周波数毎にアンテナを用意するか、手動で調整するしかない。このAH-4が来るまでは、寒い冬のベランダに出て、メーターを見ながら手で調整していたこともある。頻繁に変更するときは、特に大変だった。
PS:学生時代に研究室で使っていた真空管式のテクトロニクスのシンクロのオーバーホールは、中性洗剤を使った水洗いをするという話を聞いていたので、今回は水濡れで困る部品のない事を確認の上やったことで、不用意に真似されては困ります。責任は持ちませんので、自己責任でお願いします。
かれこれ10年以上も野ざらしで使っていたのですが、いよいよ動作が怪しくなって、夏場からしばらく使わなかったので、心配になって確認したら案の定、全く反応なし。
まずケースの周囲にこびりついた泥をブラシで掃除して、裏面も掃除しようと持ち上げたら、なにやら内部で「ビチャビチャ」という水の音がする。もしやと思ったら、内部はプリント基板の裏面がほぼ水面に没する状態だった。
アース端子(右)側に至っては、クリーム色のケースが鮮やかな鉄錆び色ではないか。
拡大したのがこれ。コンピュータの入っている部分は、電波が回り込まないように鉄の蓋がしてあるのだが、やはり激しく錆びているではないか。
アンテナ端子側もご覧の通り、ケースを裏向けたこともあって、内部はシャワールームの如く、飛沫が飛んだ状態だ。
結露などで多少の水分が入ったというような事ではなく、屋外に野ざらし状態だから、雨水が寒暖の差による負圧で僅かずつでも侵入したのだろう。それが証拠に、コントロール線(黒色)を伝った水滴がコンピュータ箱の上に滴下して錆が盛り上がっているではないか。
ここで一先ず休憩。近所の無線仲間に電話して、状況を報告。先方も最近やはりチューナーがだめになったという事だったから情報収集。私の場合、夏場に既に調子は悪かったが、時々の事であったし、反対に今回はチューニングボタンを押しても、チューナーが全く反応せず、従って無線機側がそれ以上先のプロセスに進まないのだった。無線機の方が壊れているという可能性もゼロではないが、別付けの手動のコントローラのLEDランプが点灯しっ放しというのも引っかかる。
で一か八か、プリント板を取り出して、洗剤を付けてたお湯を掛けながら、たわしでゴシゴシ。
とんでもない修理法だが、エレクトロにクスの粋を集めた装置で、水に浸かったまま通電すると具合が悪い(まあ今回はそれもやった)が、水に漬けたからといって壊れる部品が見当らないのだから、洗濯したあとは良く洗剤を洗い流して、完全に乾燥させれば何とかなるかもと考えた。
錆は絶縁体ではないが、この回路に使われている抵抗値に比べれば絶縁体のようなものだ。
これは洗剤で洗って乾燥させたプリント版。
こちらも簡単に水洗いしたケース。
で、夕食後におもむろに無線機と繋いで通電してみたところ、一瞬チューナー基板上で何か光って、あれよショートしたかと思いきや、LEDが一瞬光っただけで、改めて無線機のチューニングボタンを押したら、軽快なリレーの音の後に、チューニング完了の印。
さて、まだ錆が残っている所もあるのだが、乾燥剤でも詰めて蓋をしようか、次なる算段に入ります。
それにしても、このチューナーは一度修理に出して、直しきれないという事で戻ってきたものを自力で修理したもの。メーカーとしたら、(結露が原因?)錆びてしまったプリント版まで修復はできないという事だったと思い、自分でパターンを補修した覚えがある。何せ製造番号が01248と古い。そろそろ更新しないと、メーカーも干上がりそうだ、(笑)。
それにしても、頑丈な造りには敬服する。 MNI TNX, ICOM!
アンテナチューナーについて:
アンテナというのは目的の周波数に合わせて、エレメントといわれる導体部の寸法を調整するものだが、反対に導体(電線など)の長さを変えずに、コイルとコンデンサの組み合わせで、沢山あるアマチュア用の周波数に調整する装置だ。
無線機のチューナーボタンを押せば、数秒で電波を出せるように調整してくれるので、大変便利の代物。反対に、これがないと周波数毎にアンテナを用意するか、手動で調整するしかない。このAH-4が来るまでは、寒い冬のベランダに出て、メーターを見ながら手で調整していたこともある。頻繁に変更するときは、特に大変だった。
PS:学生時代に研究室で使っていた真空管式のテクトロニクスのシンクロのオーバーホールは、中性洗剤を使った水洗いをするという話を聞いていたので、今回は水濡れで困る部品のない事を確認の上やったことで、不用意に真似されては困ります。責任は持ちませんので、自己責任でお願いします。
by susumuja
| 2011-12-26 20:27
| 無線・工作