もらい受けたブリジストン・デリーシェ(DL662)の取説を見ると、25V6.6AHのリチュウムイオン電池が使われている。
この電池が持つエネルギーは、165WH(ワットアワー)で、165Wの電力を1時間(3,600秒間)供給できるということだ。デリーシェに使われているアシスト用のモーターは240Wだから40分ほどフル回転できる勘定だ。
計算1:坂を下る際や平坦地ではアシストを切っている。坂を上がる際にアシストをonにしている。
体育館前あたりから若山台センターまでの距離1km標高差40m(4%勾配)として、この間の実績からして6回坂を上ることができたから、体重60kgと車体25kgを40mの高さだけ位置エネルギーを大きくするのに貢献したと考えたとき、現状の電池の実力(現在の容量)はどうだろうか?
(60+25)×9.8×40 ×6 = 200(199.92)KJ
元々の電池の定格は165WHで、これをJ(ジュール)に換算すると、3600秒を掛けて、594,000J(594KJ)となる。ほぼ電池のエネルギー(仕事能)はすべて位置エネルギーに変換されたという前提の話ではあるが、電池の定格の 40%(=200/594×100)が残っていると思われる。
計算2:後継モデル(DL683)のリチュウムイオン電池は、25V8.9AHで少し容量がやや大きくなっているが、これだとどの程度使えるのか。計算1の登坂6回が何回になるだろうか?
電圧×電流×時間= 25×8.9×3600 = 801KJ
であるから、これは200KJ(199.92KJ)の、約4倍に当たる。新規に後継バッテリーを購入すれば、6回で充電が必要だったが、これが一回の充電で24回登れることが期待できる。
注1:実際に6回坂を上った時はアシストはオートエコモード、変速機も2⇒1として、スピードは10km/h以下でゆっくり漕いでスピードを上げるためのエネルギーは極小化した。
メーカーが示すデータには4%の勾配(7度)を9km走ることができるとある(https://www.bscycle.co.jp/assist/#soukou)。
注2:各地の標高は国土地理院の地図から読み取れる。
(https://maps.gsi.go.jp/)
注3:DL662デリーシェではメーカーの基準で強アシストで26km走行できるとある、バッテリ容量が8.9AHのDL683ではこれが35kmに伸びている。またオートエコモードの平坦道路のアシストoffでは48kmとなっている。
注4:デリーシェは2011年から数年間ブリジストンから販売されたモデルで、アシストモジュール本体とバッテリーはYAMAHAから供給されていた模様。バッテリーケースの形状が同じであれば互換性があるようだ。
残念ながらさらに容量の大きい12AHタイプや36Vタイプのものは合わない。
注5:本来このリチュウムイオン電池には出荷されてからの『充電回数』と『現在の電池容量』を表示する機能がある。ただ充電回数は表示したが、容量の表示が出ない。おそらく9年以上で表示しない仕様かも知れないので推定してみたもの。