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敷居の交換顛末記(2)

もともと虫食いの目立つ木部であったが、ついに敷居の部分にシロアリを発見したのが9月19日。色々外から眺めてみても分からないので、村上師匠に来てもらって床下を解体してみたのが、11月14日。
柱間が3m弱、土台用の桧材と、敷居用のメルサワ材を調達して加工する、その上で廊下の板張りを仕上げれば良かろうという見通しであった。
しかし、元の土台は柱に彫った臍(ほぞ)に深く突き刺されており、その辺りの加工をどうするか、実際に詳しく寸法を測ってみたのが11月17日であった。
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大まかな流れははっきりしたが、いくつか問題も見えてきた。
(1)縁側の板間(廊下)部分は後から追加されているが、東西にほぼ水平が出てい
  る。しかし畳の敷いてある床は東側の柱が3cm以上沈んでおり、敷居裏面で調整
  されている。単純に上面の溝を掘っただけでは合わない。
(2)敷居の溝は2本だが、上の方の梁には3本の溝がある。これは古材を使ったた
  めだと思われるが、障子が倒れないように溝の位置を探る必要がある。
(3)敷居の土台は120mm角の桧材を準備してもらったが、畳下(杉板)を支える
  ための切欠は材に平行に15mmでよいが、反対側の廊下側の切欠きは柱間2.8m
  ほどに対して3cmほど斜めにする必要がある。切欠き深さがそもそも15mmと
  いってるのに、30mmを調整するということは彫るのではなく、足す必要があ
  る。
(4)新築の際は問題にならないが、土台を後から柱間に入れるとなると片側を突っ
  込んでから、反対側を上から落とすか、横からスライドさせるかしかない。
  あるいは半分に切断して両端の臍をクリアして真ん中で継ぐか。いずれにして
  も両側の柱には元もとの臍が刻まれているから、最大限利用したい。その上で
  強度的には半裁するのを避けたい。
(5)もとの土台は『とんび』と呼ばれる臍が使われているが、とても再現できそうも  ない。横方向に引っ張っても抜けない構造が仕組まれているのだが、素人には
  とても出来そうにない。
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用意してもらった桧材は土台に使うのが勿体ないようなもので、とても半裁して使う
など出来ないので、東側の柱に出来るだけ突っ込んだ上で、西(玄関)側は水平にずらして嵌めることにした。
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11月20日とにかく家の中に持ち込んだい土台用の材木。120mm角というのは結構重い。床板はすでに剥がしてあるが、作業するために畳下を敷き詰めて、ここで作業をすることにした。廊下側の床板はやはり全面外してあるので、グリーンのパンチカーペットでカバーしている。それにしても材木が長くて重くて、随分梃子摺った。
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そうして両端の刻みをどうするか絵を描いてみたのが上図。出来るだけ両端の柱は加工しないで強度を確保したいから、左側の突起は出来るだけ長く、反対側は僅かに柱の側部をカットしてぎりぎりで滑り込ませたいから、結構シビアなのだ。入っても隙間があるというよりは、叩き込む感じを目指した。
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こちらを突っ込んでは反対側を滑らせるのだが、微調整のために引っこ抜くのが難しい。どうしても勢いづいているので、玄関側のシックイ壁に何箇所も当て傷を作ってしまった。
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ようやく柱間に土台を据えるのに丸一日以上かかった。しかも中央辺りで束で支えながら、大引きを受けてやる必要もある。
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向こう側に突っ込んで、土台を水平にして手前側の柱の切欠きにスライドさせるということをやっていたのだった。
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以前にもアルミサッシを入れるのに随分梃子摺ったが、現合で組み立てるのは手間が大変だ。本職ならもっとテクニックがあるのかも知れないが、馬鹿正直にやるとやたら時間がかかる。
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ここまでくれば畳下を戻せるし、次の敷居の寸法取りも出来るのだが、月末は沖縄へ行く予定があって、作業は一旦中断となった。(つづく)


by susumuja | 2014-02-21 14:35 | 田舎家